順天堂大学医学部循環器内科学講座
CCUグループ
岩田 洋HIROSHI IWATA
順天堂医院では、あらゆる重症あるいは緊急の心血管疾患に対応し、高度専門医療を提供できる集中治療室(Cardiovascular Care Unit)として、心臓血管外科との共用で15床を有しています。また、東京都CCUネットワーク・大動脈スーパーネットワークに加盟し、あらゆる心血管疾患に関する救急隊や医療機関からの要請を24時間365日対応で受け入れています。
対象疾患について
CCUが対象とする疾患は、急性冠症候群・急性心不全・重症弁膜症・大動脈解離・重症不整脈・肺高血圧症・急性心筋炎・心タンポナーデなど(図1)で、年々CCU入室数が増加するとともに急性非代償性心不全の比率が増加しています(図2)。
当院のCCUについて
当院CCUでは、心臓カテーテル・アンギオ室が同フロアに併設されています。そのため、急性冠症候群症例における緊急インターベンションや、ショック症例に対するVA-ECMOやIABPなど補助循環デバイスが必要な症例にも、迅速で積極的な介入が可能です。
当院CCUのさらなる特徴として、循環器内科―心臓血管外科との緊密な連携があげられます。循環器内科・心臓外科、窓口がどちらであれ、循環器内科的治療よりも外科的な介入が必要な場合、あるいは逆に外科的治療よりも内科的な治療が優先される場合には、心臓血管外科とのシームレスな議論を行って速やかに対応することができます。同様に、CCUでは他の診療科とも連携し、腎不全・膠原病や血液疾患、悪性腫瘍など多様な全身疾患に合併する心血管疾患・敗血症・呼吸不全・腎不全などにも集学的治療を行うことが可能です。
症例の日々の治療方針に関しては、研修医を含む担当医とCCU専従スタッフが毎日検査データやバイタルサインなどを参照しながら活発かつ詳細なカンファレンスを行い一般病床へのプロセスを含む、きめ細かい管理を行っています。